マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

選挙活動で苦労した聴覚過敏とコミュニケーションの問題

最近、応援している人の選挙を手伝いました。

以下は聴覚過敏やコミュニケーションの困難を記した記録です。

 

選挙前夜打ち合わせ

総勢12名で打ち合わせ。

 

  • あちこちザワザワ騒がしく気が散る
  • 誰も彼も声がキンキン尖っている
  • 初めての顔ぶれとのコミュニケーションに苦手意識がある
  • 目に見える手がかりのない話し言葉がわかりにくい
  • コロナ防災バカ無線がうるさい
  • ドアや取っ手にコロナウィルスがついている可能性があるのが気にかかる
  • 人がマスクを外して近づいてくると脅威を覚える
  • 聴覚過敏が今にも出ないかと身体に意識がいく
  • 打ち合わせが盛り上がってトイレに行くタイミングが掴めない
  • サウンドレベルメーターを車から持ち出したいとムズムズ

 

とにかく刺激が多い。

 

いろんなコトが気になる

 

自分の身体の要求、外の世界の刺激・・・。

いろんなことが気になる!!

 みんななんともないのが信じられない。

 

応援している人を勝たせるという目的のみを見つめ、目の前のコミュニケーションに集中するよう努力。

身体をうまく空間になじませるようにして、参加できた。

おかげで2時間近く経過しても、聴覚過敏の気配はない。

そこから作業に入り、いつの間にか3時間半経過してお開きに。

聴覚過敏は出ずホッとした。

苦手な状況でよく耐えた。

 

1日目

毎日コンディションが整うのが昼過ぎなのに、朝早くから選挙事務所へ行き活動。

内心「大丈夫か」と不安。

 

ワイワイガヤガヤうるさい事務所で、活発に作業する。

自分に割り当てられた、できる仕事があると、空間参加感が増して安心する。

 

6時間半経過した頃、頭がズキズキしてきたので早退。

聴覚過敏の嫌な首痛ではなく、いろいろな緊張と疲れが頭痛になったという感じ。

それでも聴覚過敏には違いない。

帰宅して仮眠すると、上半身の筋肉が突っ張り痛む。

大量の人の声に長時間、“被爆”し続けた疲労は深い。

こんなに苦手な状況でよく頑張った!

明日もつか不安。

 

2日目

昨日の聴覚過敏の痛みが上半身に残ったまま、選挙事務所に朝出勤。

自分に割り当てられた重要な仕事を済ませると、午後からいよいよ選挙カーへ。

雨が降っていて寒かったが、人の声があちこちで飛び交う事務所よりは、静かな選挙カー車内の方が、聴覚過敏のダメージは少ない。

人と作業することにも慣れてきて、夜9時の段階で、痛みがおおかた消えるほど。

昨日の疲労がこんなに残っているのに、聴覚過敏は出なかった。

12時間ももった。

私にしてみれば、苦手な環境でどれほどもちこたえたことか!

 

3日目

昨日に引き続き、選挙カーのウグイス(候補者の代わりに応援演説する仕事)に集中して6時間半。

台本があるから、ウグイスはできないことはない。

ただ、他のウグイス担当者はとっさに臨機応変な言い回しができるが、私の言葉はどうしても台本通りの定型文句になりがち。

聴覚過敏は一切出ず。

苦手な状況で頑張った!


4日目

昨日に引き続き、選挙カーのウグイスに集中して7時間。

YさんとDさんに声を誉められ嬉しかった。

苦手なZ夫婦がいて、自分の話ばかりされるのに辟易したが、私にしてみれば、よく話の輪に入った。

聴覚過敏は一切出ず。

苦手な状況でよく頑張った。

 

5日目

朝から選挙事務所へ。

ストレスがたまり、昼食中は少しむっつりしていた。

出しゃばりZ夫人の自慢話にもうんざり。

午後は事務所の世話。

昼1時から5時まで、おばさん達に混じって苦手な “世間話” に興じる。

こんな苦手な井戸端会議に良く耐えた。

 

夕食中、あちこちザワザワしてうるさい!

ここでも、あまり面白くない目の前の会話に集中し、苦手な状況を淡々と耐え、乗り切った。

 

夕食後、片付けが終わり事務所で休憩。

Yさんと、医学の話で盛り上がった。

やっと興味深い、実になる話が聞けたので、充実感があった。

意気投合したので、Yさんは心を開き、人の悪口を言うことで団結する近所の人の醸し出す雰囲気が「つらい」と打ち明けた。

Yさんは、実はHSP人と判明し、心強かった。

Yさんの話が理解できたのは、感覚と経験と知識が私にあるから。

しゃべり上手なZ夫人のペラペラ言葉は理解できない私だが、聞き上手だからこそコミュニケーションを取れたと自信が持てた。

聴覚過敏は平気だった。

 

6日目

朝からウグイス。

うまくスピーチできて満足。

昼食後は某所で相談。

仮眠したのもあるが、ほとんど疲れていない。

夕方からまた選挙カーに搭乗。

Z夫人が発達障害当事者であると判明。

これだけしゃかりきに働いたのに、聴覚過敏と疲労がほとんど出なかったので、嬉しい。

 

最終日

朝からウグイス。

昼頃、選挙最終日にして目の奥と首が重くなってきた。

午後はドッと疲れが押し寄せ、首も目も頭も腕も、上半身一帯が全部痛い。

「あー疲れた!」と同乗者に愚痴る。

選挙カーの後続車を2台走らせていたが、みんな疲労がたまっている。

選挙カーをぶつけ、スタッフはやいのやいのと大喧嘩。

帰宅すると、疲労と痛みのあまりグッタリ。

 

苦手な状況の連続だった

……とまあ、毎日「頑張った」と自分をねぎらう日記ばかりですが、それほど「苦手な状況」の連続でした。

人と関わる機会と賃金を与えられたのは、大変ありがたかったです。

 

コミュニケーションやうるさい場所が苦手なのに、人なかで耐えたこと。

何より聴覚過敏を。

一対多のコミュニケーションが、私にとってどれほど難しかったか…。

苦手な状況で、人一倍、自分の能力以上の仕事をした!

と何度も自分をねぎらっておきます。

 

巧みな言葉でのし上がろうとする人

 Z夫人という人が、ペラペラよく動く舌で自分のことをまくしたて、場を乗っ取ろうとするのが困りました。

巧みな言葉にものを言わせ、場を制する。

横暴です。

口下手で黙々と影の働きをしている人もいるのに、口が達者で、ごね、騒ぎ、派手な働きをした者ばかりが目立ち、意見は通される。

こんな世の中なってほしくないです。

 

場・状況に自分をそぐわせたい人

状況や人によって、パーソナリティーを演じ、完全に別人のようになる人がいました。

つまり状況功利的に顔の裏表を使い分け、自分の利益を図ろうとする人。

 

状況によって顔を変える

 

「自分がどうか」よりも、「場・状況で自分が得するかどうか」に意識が向いているのです。

不気味です。

裏表のない自閉症の人には絶対できない振る舞いでしょう。

 

 

あーーー、心細かった!!

配慮できる状況でないのは重々承知しているけど、私の感じ方に理解配慮があったら……と思いました。

人の気持ちがわからない奴はアスペルガーだ!……なわけはない

○○さんってアスペルガーじゃない?

知り合いのY美が、声をひそめて私にこうささやきました。

 

「Oさんてアスペルガーじゃない?」

 

Y美はスピリチュアルなものに興味を持つ、繊細で敏感な人です。

HSP(Highly Sensitive Person 人一倍敏感な人)の特性があると、私は感じています。

ある時Oさんは、Y美の繊細な気持ちを汲まない発言をしたそうです。

Y美は、そんなOさんをとがめるために、「アスペルガーじゃない?」と指摘したのです。

 

こうした声を、私は至るところで聞いてきました。

Y美だけではなく。

 

「○○さんってアスペルガーじゃない?」

「△△さんてアスペよ」

 

自閉症より「アスペ」「アスペルガー」を指摘する人が多いようです。

 

ちなみに自閉症とは、生まれつき

1、対人関係の特異性
2、コミュニケーションの障害
3、想像力の障害

という3つに特徴(3つ組)が現れることから、診断される障害です。

 

www.autism.jp

 

知的障害を伴わない自閉症を、以前はアスペルガー症候群と呼んでいました。

現在は、従来のアスペルガー症候群も古典的自閉症も、自閉スペクトラム症ひとくくりになっているそうです。

 

アスペルガーの人だけが人の気持ちを理解できないのではない

話を戻すと、Y美がとがめたOさんは、社交的で交友関係が広く、コミュニケーションと言語の能力は高く、想像力も豊かな人です。

対人関係の特異性、コミュニケーションの障害、イマジネーションの障害という「3つ組」がひとつもありません。

しかも鈍感です。

感覚の鈍い自閉症者はいないでしょう。

自閉スペクトラムとは真逆のアイデンティティを持っているのです。

 

そんな人に、なぜY美が「アスペルガーじゃない?」というのか。

それは、「人の気持ちがわからないのはアスペルガー」というステレオタイプな障害のイメージがあるからでしょう。

つまり偏った見解です。

 

Y美を怒らせたOさんは、当時、自分が持てる以上のストレスを抱えてパンクしそうでした。

Oさんは、自己の感覚を遮断し麻痺させて、厳しい状況を乗り切ろうとしているように見えました。

もともと鈍感なのに、さらに鈍感になっていました。

鈍感になっていたから、超敏感で繊細なY美の心を理解しない、無神経な発言をしたのでしょう。

だからといって、Oさんがアスペルガー症候群ということにはなりません。

Oさんはただ、一時的に、人の気持ちに鈍感になっていただけです。

 

人は心の余裕をなくした時、自分をシャットダウンして、相手の気持ちを十分理解できなくなることがあります。

誰しも辛い状況に陥ると、自己を守るために、感覚を切断します。

そんなふうに余裕を失ってしまった相手に何が起こっているのか、目の前の人が見えない人もいます。

OさんとY美はどっちもどっちで、相手が見えていなかったのです。

 

人の気持ちがわからないのはあなた

「人の気持ちがわからないのはアスペルガーだ。」

 

そうではなく、アスペルガーだと安易に決めつける方が、相手を十分理解できない、相手が見えない可能性が大きいです。

相手を見、心を観察できる人なら、決めつけなくても、その人がどういう人かわかります。

同じ体験をしている人も、相手を直観的に把握するでしょう。

相手を理解できないから、アスペルガーというラベルを貼ることで、安心する

なんだかよくわからないものが、「アスペルガー」という記号で解決できる。

つまり、「自分がわからない」という問題を、相手に転嫁しているのです。

 

人の気持ちがわからない奴はアスペルガー

 

相手を理解できないのは、相手の問題ではなく自分の問題です。

もし相手が本当に自閉スペクトラムならば、相手と自分双方の問題ということになります。

ラベルを貼った相手だけに、決して問題があるわけではありません。

みんな面白がる共通の話は、たいてい面白くない。

面白くないことが面白いのかもしれない

とある人の選挙を手伝い、お疲れ様会があった。

一言で言うと、あまり面白くなかった。

近所の人間関係の裏事情に興味がないのだ。

 

政治の話にしても、「人の心を解き明かす」真理を聞きたいのに、自分の生活実感に沿わない話題ばかり。

人生経験豊富な年配の人の、ためになる面白い話ぐらい聞けるかと期待したが、近所の誰がどうしたという卑近なうわさ話に終始していて、どれほど注意深く耳を傾けても面白くない。

新聞の社説に載っているような、もう少し理念的な話が聞きたかった。

市の現状はヒトラーが権力を持った状況に似ていないかと思うが、そういう話も聞けなかった。

目の前の人間を一生懸命観察したが、いまいち誰も面白くない。

 

人間万事塞翁が馬(人生どう転ぶかワカラン)

 

と言ったある老人の言葉だけ面白かった。

とにかく面白くなかったので、本を読みたいと考えていた。

目の前の人に面白がれない自分に少し悩んだ。

 

さっきから面白いだの面白くないだの同じ言葉を繰り返しているが、なぜこんなに面白くないのかと考え、そのことがしきりに気になって仕方なかった。

面白いとはどういうことか?

面白くないと感じるとはどういうことか?

面白くないと強烈に感じられることが、少し面白かった。

そう言えば私は、面白いとは何か、楽しみとは何か考えることに興味がある、つまり面白いようだ。

 

roots-amanekouko.hatenablog.jp

 

しかしそんな(哲学的な)問題は、政治談議の肴にもならない。

 

共通性の高い話は面白くない

面白くない話は、面白くないから、興味を持とうとしても、心が剥がれていく。

私は興味の幅が狭い。

面白くないものは面白くない。

みんな面白がる共通の話は、たいてい面白くない。

 何事も面白がれるに越したことはないが、心の底から面白くないと思っている時に、興味を持つのは難しい。

 

 

多数派の共通の話は面白くない

 

ただそんな自分に悩んでいるので、関心の幅を広げていきたいとは思う。

おそらく1対1か、1対2~3人で話せば、興味のない話でも興味のフックをひっかけやすいだろう。

 

台本なしに喋れる人ばかり・・・

みんな「台本」なしにペラペラしゃべれるのが不思議だった。

私は言語障害があるので、筆記しながら会話。

 

「若(わけ)ぇーから」

 

と年配者はなんでも年齢のせいにするが、まったく関係ない。

 

うるさい

あちこちに雑談の輪ができうるさくて、聴覚過敏が出やしないかとハラハラした。

1対多のコミュニケーションは、本当に敷居が高い。

サウンドレベルメーターで騒音レベルを測ると、70台dBだった。

 

みんな鈍感

コロナウィルスに感染しないか、私は四六時中ピリピリしていたが、みな防衛意識が乏しく鈍感だった。

定型発達者との違いを強烈に感じた。

そのことを話題にする場もなかったので、ブログにメモしておく。

(2020.5.2 日記)

時間感覚が麻痺している私の時間管理術

私の時間感覚は、麻痺しているといっていいほど乏しいです。

いろんな方法で管理します。

そのツールを紹介します。

 

1、デスクダイアリー

 

デスクダイアリー

 

モザイクをかけすぎて何が何やら。

DAIGOのアポイントダイアリーを長年愛用。

基本はコレです。

時間が目に見える形で把握できる安心感があります。

 

 

2、理想タイムスケジュール表

 

理想タイムスケジュール

 

このスケジュールをつくる時は頑張ってつくりますが、あまり守れず、すぐグダグダになります。

予定通り過ごすぞ!という気合いを高める効果だけはあります。

 

 

3、タイムタイマー

 

タイムタイマー

 

発達障害者の憧れ(?)タイムタイマーです。

スチール製の本棚にマグネットでくっついています。

毎日使っているわけではないけど、そばにあるだけでホッとします。

「見える時間」に見守られる、この安心感・・・。

鬱が酷い時に購入すると、症状が緩和しました。

非の打ちどころのない発達障害お役立ちグッズです。

 

 

4、砂時計

 

砂時計

 

「10分」もあったけど、割って廃棄しました。

視力向上トレーニングのために、「5分」を毎日使います。

「1分」と「3分」は短すぎて使えません。

綺麗な砂を見るだけで癒されます。

他に、スマホのタイマーアラームも使います。

もちろん目覚まし時計も。

 

 

5、ホワイトボード時間割

 

ホワイトボード時間割

 

以前はデスクダイアリーの余白に書いていた時間割を、手軽に書けるホワイトボードにしました。

青文字が予定で、赤文字が実際に過ごした時間です。

 

時間感覚が麻痺する理由

 

なぜ時間感覚が麻痺するのか。

それは、没頭しすぎるからです。

何かにハマる、つまり 没頭100になると、時間感覚は0になります。

ゲームにハマりすぎて気づくと朝になっていたとか、小説を読むのに夢中になってトイレにも行かなかったとか、そういうエピソードはてんこもり。

のめり込み過ぎて、時間が「なくなる」のです。

 

心理的に危機の状態にある時も、時間感覚は麻痺します。

特に人への信頼を失うと、時間は壊れ、ダラダラと境界のない時が拡大していきます。

 

病院のコミュニケーションで困ること と 対処法「目で見て理解」

コミュニケーションで困ることをリストアップ

コミュニケーションで困ることを word でリストアップしました。

他の困りリスト含め20ページ以上あります。

こういう資料が山ほど(ファイル2冊以上)あります。

このリスト内容をブログに展開してみます。

病院のコミュニケーションで問題になること

 

病院のコミュニケーションで困ること

 

  •  目に見えない耳から入る話し言葉は "音" に聞こえることがあり、意味を把握しづらい言語障害のない定型発達者は、目に見える手がかりなしに、音声のみでペラペラ会話しているが、私には難しい。
  •  自分語りしすぎることがある。引き際の判断が難しく、「良い加減」で止めるのが下手
  •  いかにもコミュニケーションできているように演技する癖がある。社会的な不利益を被らないために、就職(活動)中に身についた自己防衛が無意識的に働く。見かけはうまく会話しているように見えるが、本当は口下手・聞き取り下手。
  • 思考が深く、本当に思い考えていることを、即座に言語化できない。十分に表現しきれない不全感が残る。会話で捻り出す言葉は表面的。問いかけられても即座に回答できないことがある。時間がかかる。


思考が深く、会話で出る言葉は表面的

 

 ※「考」の字に斜め線が入っていませんでした・・・

 

  •  医師とのやりとりは、8割通じていない感じが残る。医師や看護師に、訴えを誤解されることが多く、病院でのコミュニケーションは常に難儀する。

 

対処法

 

  •  刺激が少なく落ち着いた静かな場所で、一対一で話すと、苦手な話し言葉でも通じやすい。
  •  話し言葉を書き取り、目に見える文字に変換して理解している。
  • 会話の内容を、目で確認できる文字や図に変換するホワイトボードや白紙があれば、意思疎通しやすい。
  • 話す「台本」をあらかじめ用意しておけば、本当に思い考えていることを表現しやすい。病院ではメモやレポートを提出し、書き言葉で意思表示する。話し言葉のやりとりは少なく、ほとんど話さないことも。精神科では深い思考内容を伝える必要がある。医師には敬遠されることが多いが、訴えを書き言葉で伝えることができればありがたい。
  •  私が自分語りしすぎた時に、「今日はここまで」とストップしてもよい。曖昧にものを言う日本人は多いが、遠慮なくハッキリ伝えてもらえると、自分を改善できるので助かる。

 

目に見えるもの / 目に見えないもの

要は、目に見えるものは理解しやすい。

目に見えないものは理解しにくい。

視覚的な手がかりがないと、脳が対象を捕まえにくい、認識しづらいです。

最近、視力が落ちて、読書しづらくなりました・・・。

視覚に訴えないものは、頭に入りにくいです。

 

目に見えないといっても、心や抽象的なことがわからないわけではありません。

思考したり感受したりする時、心に浮かぶ抽象的な目に見えない概念は、心の中で視覚的な文字や画像に変換し、ノートやふせんに書き出して、目で見て理解しようとします。

ビジュアル・ラーナーです。

うるさい! コロナストレス

流行に興味はないけど・・・

私にとって価値あるものは、時間の淘汰を経たものです。

新しいものや流行に、あまり(ほとんど)興味はありません。

流行や時事ネタに疎く、新聞を読み思うことはあっても、人と共有する意思は乏しく、一人で考えているダケ。

 

「新しきものの善きものたることは稀なり。善きものの新しきものたること、つかのまにすぎざればなり。」

(ショウペンパウエル『読書について』、岩波文庫、32頁)

 

流行ってパッとやってきて、フワフワ流れていって、何も残らない。

毎年毎年、何か流行るたびに、迷惑なことだなぁと思っていました。

 

しかし……しかし……。

コロナの "流行" があまりにストレスフルなので、時事ネタをあまり書かない私ですが、コロナを題材に記事を書きたいと思います。

うわっ、これ時事ネタすぎるよ……。

みんな書いてるし私が書く必要ないやん?

と自分にツッコミしつつ……。

 

万年休日のコロナ・ストレス

感染した人も、在宅勤務している労働者も、中小企業も、医療関係者も、アルコール消毒が必要な病人も、生活困窮者も、子どもを抱える家族も、みんな大変なコロナウィルスの感染ですが、私のストレスも大きくなってきました。

 

家族に肺炎持ちがいるから、感染したら重篤化の危険があるとピリピリしています。

私も免疫を抑える薬を使っているので、かかりやすく、外出時はビニール手袋をはめることも。

手を洗いすぎて毎日カサカサです。

 

しかしコロナの恐怖よりきついのが、聴覚過敏です。

休校で自宅待機している子どもたちが、近所でキャイキャイ騒ぐ声が、毎日キツイ……。

上階で走り回る子どもの足音がキツイ……。

近所で遊ぶしか選択肢はないと理解はしつつも、これが延々と、毎日毎日続くので参ります。

 

これまでは聴覚過敏でほとんど家から出られず、ようやく静かになった平日の深夜を見計らい、やむを得ず出かけなければならない用事がある時に、出かけていました。

街がキャイキャイやかましい土日は、徹底的に避けていました。

うるさい休日が苦手!

それなのに、休校・休業で毎日が土日のよう。

これはきます……神経に。

 

いつ終わるんだー!? この万年休日状態が。

 

数日ならいいけど、この状態が何カ月続くのやら……。

心をゆったり持つように心掛けていますが、気づくとついイライラしてしまうことも。

 

ただ、不登校の人にはありがたい状態なのかな? と想像したりします。

 集団になじめない人の、いじめられるリスクが下がったらいいな、と思います。

 

人々(の声)がガリガリ、トゲトゲ、キンキン

もう一つ敏感に感じるのは、人々の変化です。

コロナ自粛で、ストレス解消しようとする人の声が、いつもの1、4倍ぐらい「尖って」いるように感じます。

ガリガリ、トゲトゲ、キンキンと。

まさにコロナウィルスの突起のように。

 

必要なものを買いに店に行くと、店員さんの押しが心なしか激しいです。

 

コロナ危機で押し押し店員

 

追記:マスクを描き忘れていました・・・。

 

購買者が少ないから、店員も必死なのでしょう。

在宅高齢者を標的にした詐欺も発生しているというし、非常時は人間の本性がむきだしになるのを感じます。

バンパイア=発揚性性格者 vs HSP=敏感性性格者

繊細で傷つきやすい人が自分の心を守るための本

加藤諦三著『「自分の心」をしっかり守る方法』を読みました。

これは、繊細で傷つきやすい人が、自分の心を守る方法について書かれた本です。

 

 

何気なく手にとって読みましたが、自分の生きづらい性格をこれでもかと解き明かしていて、大変参考になりました。

読んだ後、心が明るくなりました。

 

敏感性性格者

敏感性性格者とは、小心で、繊細で、傷つきやすい内面を持ちながら、野心は人一倍ある人間です。

くよくよ悩むばかりで、なかなか行動に移せず、弱気なところがあります。

 

敏感性性格の人は「繊細な傷つきやすい野心家」「過剰な自意識のある野心家」である。この繊細で傷つきやすい名誉心が「喉に刺さった魚のトゲ」である。(『「自分の心」をしっかり守る方法』、三笠書房、83頁)

敏感性性格の人は刺激を受けやすいし、感受性が強い。つまり印象能力が高い。そしてある体験が意識の中に入ると、たびたびいうように、なかなか発散されない。つまり保持能力も高い。(同書135頁)

 

自分に当てはまるなぁと。

繊細で感じやすく、常に外界の環境や人から「圧されて」緊張しているのですが、内に秘めた怒りや悔しさは大きい。

絵にするとこんな感じでしょうか。

 

敏感性性格

 

野心とは、詩人になる望みに敗れて虎になった中島敦山月記」の主人公・李徴(りちょう)が抱いている、「臆病な自尊心」のことだと思います。

臆病なのに、ここは負けないぞクソー!と悔しがる、突っ張ったプライドは持っている。

 

発揚性性格者

こうした敏感性性格者にとって最大の脅威となるのが、発揚性性格者です。

発揚性性格者とは、強力な行動力と感情を持ち、相手に自分の感情を押しつける利己主義者のことです。

 

ひかえめな人間にとってかなわないのが、情緒的に未成熟な強力型の人間である。強力型なのであるが、利己主義で自分本位な人間というのは、ひかえめな人間にとってはたまらない。このタイプは相手の立場を考えないで、自分を一方的に主張する。その主張の仕方が強力なのである。

ひかえめな人間にとってさらに耐えがたいのは、クレッチマーのいう発揚性性格者である。(同書97頁)

敏感性性格者が無力性に強力性のトゲが刺さっているとすれば、発揚性性格者は強力性に無力性のトゲが刺さっているクレッチマーはいう。(同書97頁)

 

トゲトゲしたアイデンティティの見かけの外殻の中に、凹んだ自我がある。

このアイデンティティの型は、敏感性性格者のそれと真逆です。

 

 発揚性性格

 

刺激されやすくてエネルギッシュなのであるから、すぐに怒って相手を犠牲にすることなどなんでもない。

要するに、利己的でずるくてたくましいのである。気の弱い人間やひかえめな人間を踏み台にして自分の利益を求めていき、しかもそういうように他人を踏み台にしたということでは決して傷つかない。

(中略)発揚性性格的な者というのは、相手を利用できるかぎりにおいてはよく相手とつきあう。自分は敏感性性格だと思う人は、できればこの発揚型の人とはコミットしていかないことである。(同書98~99頁)

 

発揚型の人は鈍感で、陰湿で、繊細な人間を踏み倒すから、たまりません。

過去、職場で私をいじめたのは、ほとんどこのタイプです。

私にとっては、できるだけ避けたい苦手な人間です。

 

バンパイア=発揚性性格者 と HSP=敏感性性格者

高橋敦さんは『「敏感」にもほどがある』で、全く同じことを語っています。

 

バンパイアはHSPの感受性をするどく嗅ぎつけます。そしてエネルギーを吸い取るために、HSPの自尊心を傷つけたり、わざと混乱させる物言いをします。バンパイアには感受性を向けないこと、そしてエネルギーを奪われないことが大事。

(高橋敦『「敏感」にもほどがある』、きこ書房、149頁)

 

HSPは敏感性性格者バンパイアは発揚性性格者におおかた当てはまると思います。

バンパイアのアイデンティティの、見かけの外殻のトゲが、HSPのアイデンティティの外殻を浸食してエネルギーを吸い取る。

こうして敏感性性格者は、発揚性性格者の餌食となります。

 

それにしても、高橋さんのバンパイア対策(同書150頁)

 

  1. バンパイアに感受性を向けないようにする
  2. 自分のエネルギーを渡さないようにする
  3. 相手の攻撃に対してはむしろエネルギーを吸い取る

 

のうち、1がとりわけ難しいです。3も高度。

バンパイアの攻撃を阻むために、感受性をさらに働かせ、相手を感知し、探索してしまうのです。

相手を知り、理解するために、感受性を協働して思考してしまう……。

いったいどうしたら、このピリピリした強烈な感受性を抑えることができるのか……。

 

ちなみに、加藤諦三が説く対処法の要諦はこうです。

自分を不当に傷つけた者にきちんと抗議せよ。

憎しみを消し、怒りを勇気に変えよ。

 

『「敏感」にもほどがある』と『「自分の心」をしっかり守る方法』

 

障害者は不幸をつくらない

私ではなく、なぜあなたが?

2020年2月17日、横浜地裁であった津久井やまゆり園事件の論告求刑公判で、自閉症の娘を殺害された母親が、こう述べていた。

 

「勝手に奪っていい命など一つもない」

「あなたが不幸をつくる、生きている価値のない人間」

(2020年2月18日 朝日新聞

 

津久井やまゆり園記事 朝日新聞

 

障害者が不幸をつくる。

植松聖被告はずっとこう述べてきた。

 

精神科医神谷美恵子は、ハンセン病の患者に「私でなく、なぜあなたが?」と思ったという(出典不詳)。

被告はそう思わないのだろうか?

「私でなく、なぜあなたが?」

「なぜ私が無力な者ではないのか?」

と。

 

いつ、誰が、無力な人間になるか

人が強大な力をもって生まれてくるか、無力を決定づけられて生まれてくるかは、気まぐれな神の采配、サイコロの目でしかない。

誰がどういう境遇に陥るか、わからないからこそ、自他逆転の可能性を、想像しなければいけないのではないか?

 

人はいつ事故を起こし、病気になるかわからない。

それでなくても、必ず老いる。

いつ、誰が、無力な人間になるか。

被告は次の瞬間、明日にでも、無力になるかもしれない。

そのように想像しないのだろうか?

 

被告は生まれた瞬間、無力だった。

その無力を誰かに、育てる大人に「役立つ」と肯定されたからこそ、これまで生きてきたのではないのか?

被告はいつか事故に巻き込まれ、病気になり、老いる時、無力になる。

その瞬間、「自分には価値がない。どうぞ殺してください」と、力ある者に頭を下げるだろうか?

必ずそうできる自信はあるだろうか?

 

無力な人間の価値

「役に立つ人間になりたかった」と被告は言う。

人を殺すことで役に立つ。

人がその人らしく生きられるよう、助けることが、役に立つということではないのか?

経済成長しか、人間の価値を計るスケールはないのか?

 

無力な人間に価値はあるだろうか?

人が無力になった時、自分の価値を信じられるだろうか?

 

赤ん坊は無力だ。

しかし、だからこそ、その笑顔が、母親の心を癒す。

それが赤ん坊の役割ではないのか?

 

無力な人間は、強いられた無価値を耐える。

無力であることに加え、無価値という二重の無力を。

それが、無力な人間の価値であり、役割ではないのか?

ぬくぬくと自分の価値を信じ、力を振るっている人に、無力と無価値という多重の重責を耐える力はあるのか?

無力なその人しか、無力を耐えることはできない。

それがその人の価値であり、役割ではないのか?

その重責を、無力を背負えない被告の代わりに背負っているのが、その人の最大の価値ではないのか?

無力な人が自分を耐えること。

そこにその人の尊さがあるのではないのか?

 

不幸をつくるのは

私にも優生思想があった。

自分に対してだが。

 

 この年、最も衝撃的だったニュースは、相模原障害者施設殺傷事件だ。障害者を価値のない人間と考える優生思想によって犯行がなされたと言われるが、他人事ではない痛ましいニュースとして記憶に残った。

 犯人が衆議院議長に宛てた手紙をインターネットで読むと、いたたまれなくなって涙が溢れた。聴覚過敏がつらくて耐えがたいときに「自分の命などないほうがよい」と考えていた言葉とまったく同じ言葉が、その手紙に記されていた。犯人のような優生思想の持ち主が日本のいたるところに隠れていて、障害のある人たちをバッシングしようと隙を窺(うかが)っていることを、手紙の文面から感じとった。

 この事件のあと、自分に障害があることを隠して、息を殺して生きなければならないような圧迫感を覚えた。

「踏まないで!―ある自閉症者の聴覚過敏手記―」第八章 病む記憶 より

  

優生思想を自分自身に向けたとき、私は不幸だった。

障害者が不幸をつくるのではない。

あなた。

私たちの中の、あなた(優生思想)ではないのか?

過敏な人に! 『「敏感」にもほどがある』を読んで

『「敏感」にもほどがある』を本屋で立ち読みして、バカウケしたので、即買いしました。

 

敏感にもほどがある

敏感にもほどがある

  • 作者:高橋 敦
  • 出版社/メーカー: きこ書房
  • 発売日: 2017/07/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

HSP(highly sensitive person 敏感すぎる人)の日常について、四コマ漫画を交えて書かれた本です。

漫画だけでもめちゃくちゃ笑えるのですが、自己分析した文章が素晴らしい

 引用しながら思ったことを書きます。

 

 

これは自分!?

 

漫画の内容は、

 

  • 人といるだけで疲れてしまう
  • 他人の体調や感情が気になる
  • 先のことをクヨクヨ考える
  • 肌触りが気になる
  • カゲが薄い
  • 感動しやすい
  • 注文するのが苦手
  • 人が怒られているのを見るのがつらい
  • 模倣が得意
  • 頼まれやすい
  • 緊張を引きずってしまう
  • 現実的じゃない
  • 意識が拡大してしまう
  • 神様気分
  • スキンシップが苦手
  • 怒るとひかれる
  • DVに遭いやすい
  • 知りたくもない秘密を聞かされる
  • 言葉がずっと心にひっかかる
  • ぐさっとくることを言ってしまう
  • 相手の性格を鏡のように反射する
  • 裏道愛好家
  • バンパイアにおそわれやすい
  • 居場所が見つからない
  • 会社勤めがつらい
  • スピリチュアルにはまりやすい
  • フリーランスをめざす
  • 朝が来るのが怖い
  • 仲間を見つける
  • 人との距離のつかみ方
  • 付きまとわれないために
  • バンパイアの被害に遭わないために
  • 自分の感受性を自覚する
  • なぜ社会の中で生きづらいのか?
  • HSPは本来パワフルでクリエイティブ
  • HSPが人類を救う

 

こ、これは……!

まるで自分のようだ……。

90%以上当てはまっているかも?

私に似ている人がいる! と安心しました。

 

著者・高橋敦さんのブログも訪問して、ハマりました。

だいたい全部読みました。

気に入ったので、リンクを張らせていただきます。

k0nt0n.blog.fc2.com

こんな人が存在するなんて、心強い限りです。

 

発達障害者とHSPの違い

 

アスペルガー症候群五感が鋭いけど、HSPは人に対する感受性が強いそうです。

自他の境界が薄く、他人が気になってしまう。

著者は他人にエンパシー(感情移入)しすぎて、生きづらさを抱えています。

近いものがあります。

……ってこれは、ドナ・ウィリアムズ『自閉症という体験』の内容そのものじゃないか!

〈他者のみ/自分なし〉の世界。

 

自閉症という体験

自閉症という体験

 

 

 

私は『自閉症という体験』と聴覚過敏によって、エンパシー力が上がりました。

その結果、著者の感覚により近い感覚がわかるようになりました。

 

聴覚過敏に応用できる?

 

自分を中心として注意の範囲を狭めていき、最終的に自分自身に注意を集めていきます。舞台の上で自分自身がスポットライトを浴びている感じです。

これは「俳優修業」スタニスラフスキイ著(未来社)という本にある、「注意の輪」という訓練法です。俳優がステージでスポットライトを浴びているように注意の光を自分自身に集めるのです。

(中略)このエクササイズをやっていると、敏感な人ならばピリピリというかグワングワンというか、頭が混乱するほどの刺激を感じるはずです。マイクとスピーカーを近づけてハウリングしているような感じです。

このいたたまれないピリピリ感こそHSPが他人に向けている発信している「感受性」です。

(高橋敦『敏感にもほどがある』、きこ書房、155頁)

 

 

す、すごい……!

常にエネルギーを放出し、感じているのですね。

よくわかります。ビビッとくる表現です。

 

「自分の感受性を自覚する」ということだけです。感受性とどう折り合いをつけるかは自分の感受性と相談するしかないと思うのです。

(中略)敏感すぎる感受性は、私自身です。やっかい者ではなく、自分の中にいる愛すべき子どものように考えるべきです。そうすれば、感受性も応えてくれます。

(中略)大切なのは、自分の感受性が暴走しているということに気づくことです。自分の中の子どもが泣き叫んでいると思ってください。そしてあやしてあげましょう。自分の感受性が今、どんな状態にあるのか、それに意識を向けるのです。あなたの感受性はあなたに気付かれるのを待っています。

(中略)HSPはじっとしていれば自分のエネルギーをますます感受性に注ぎ込んでしまいます。ですから行動にエネルギーを使うことで感受性に費やすエネルギーを減らすという方法もあると思います。

(同書、156~158頁)

 

 

聴覚過敏に応用できそうです。

私も常にピリピリが身体中に走っています。

電磁場みたいなものです。

そしてまわりの世界のピリピリを、勝手に感受してしまいます。

この刺激が暴走しないように、アンテナの方向を変えると。

 

それはちょうど、同じ媒体中におかれた二つの物質が、共振を起こして響き合っているようなイメージ

斎藤環『生き延びるためのラカン』、ちくま文庫、248頁)

 

この共振というか、磁気というか、霊感というか、ビリビリというか、テレパシーというか、電流のようなエネルギーを、自分の内部に向けて感じればよいわけですね。

 

感受性が高い人の役目はなんだろう?

 

HSPの高い感受性は、それを持つ当人が生きやすくなるために与えられたものではありません。種の保存という、個人的には関係ない理由で勝手に組み込まれた回路みたいなものです。

(中略)生態系がサイコロを振って「当ったりぃ! キミ、そういう訳だからよろしくねっ!」って2割の生体に高い感受性を組み込んだのです。「贈り物」というより「役目」でしょうか。役目ですから、基本的にはそれを果たすことが前提となっているようです。

(中略)「いろんなこと見張って、おかしな兆しを見つけてね」って言ってるだけです。いろいろ制約はありますが、なるべく苦労を避け、個人的に活かせるものは活かしてHSPらしく生きていけたらと思います。

(『敏感にもほどがある』、162頁)

 

感覚過敏の人の役割はなんだろう?

考えさせられます。

よく言われるように、「炭鉱のカナリアが思い当たります。

社会の危機を真っ先に察知する。

私も予感というか、予知覚がテレパシーのように張っていて、「これはヤバイ!」という感じに真っ先に反応します。

 

やっぱり理解されないのか…

 

話したいことがあっても、感受性の違いから人にはほとんど理解してもらえません。気遣いさえも伝わらないことが多いです。

 

組織の管理や干渉はHSPの苦手とするところです。大勢の人を1つの部屋に集め刺激過多になっている職場、上司や組織の意向を気にして自己裁量の少ない管理体制、同僚と反目しあうような競争、こういった環境では、そこにいるだけでHSPは消耗してしまいます。

普通の人はそういった環境に適応していきます。社会人になることは、自分の感覚や考え方を社会に合わせて変えていくことなのかもしれません。しかしHSPにとって、それは死んでゾンビになれと言われているようなもので、いわゆる世間には染まれないHSPがたくさんいると思います。

(同書、165頁)

 

 

自分の感受性を押し殺されることは、ありのままの生きた自分が殺されること。

そして、特異な感受性の持ち主は、なかなか理解されない。

激しく共感します。

 

まとめ 過敏に悩む人に

 

自閉症圏の人には、身に覚えのある感覚満載でしょう。

特に感覚過敏の人には、教訓が多く含まれています。

ドナ・ウィリアムズの自閉症という体験』を読んだ人なら、「このことか!」とピンと来ます

ただ「人の気持ちがわからない」ことに悩む自閉症圏の人は、「自分とは少し違う」と違和感を覚えるかも。

著者は、人の気持ちにエンパシー(感情移入)して、影響を受けすぎるのです。

漫画は文句なしで笑えます。

過敏に悩む人におすすめできる一冊です。

自閉症の人は「努力」しないという先入観

知り合いの躁鬱病持ちD氏に手記原稿を見せた。

そこには、思春期の内面における葛藤と、職場いじめなど社会に出てからの闘いを記していた。

D氏はこう指摘する。

自閉症の人でここまで努力しているのは少数派でしょうね」

 「は?」

 

なぜそんなふうに言えるのか?

違和感を抱いたので、私見を述べる。

 

自閉症の人は努力しないという先入観

知る限り、D氏は自閉症の本を一冊も読んだことがないはずだ。

自閉症の人に一人もかかわったことがないはずだ。私以外は。

理解どころか、自閉症のことを何も知らない。

そんなD氏はこう思っているのだろう。

「多くの自閉症者は努力しない」

こうした考えあって、さきの発言が出てきたのだろう。

 

そもそもなぜこういう発想が出てくるのか。

自閉症 → 自分に閉じこもっている → 外的経験が乏しい → 努力しない

という短絡的なイメージだろうか?

 

自閉症の人には、努力しすぎてボロボロになった人、もう努力すらできなくなった人がいる。

努力ではなんともならない、自分の適性にない能力は、努力でなく工夫で補っている人もいる。

 

D氏は「努力」をどう捉えているのだろう?

あれをやったとか、これをやったとか、「具体的な苦労」で揉まれ、外的経験を積むことだけを、「努力」と考えていないだろうか?

 

自閉症者の2つの闘い

自閉症の人の「闘い」には二方向ある。

一方向は、外部の世界で「もめる」こと。

学校や職場になじめなかったり、いじめられたり。

定型発達者の何倍も苦労しているのだ。

もう一方向は、内部の世界で「もめる」こと。

発達が遅れていたり、乱れていたりする自閉症者は、常に内面の葛藤に引き裂かれている。

普通の人が1や2の労力をやっていることを、100や1000の労力でこなさなければならないのだから、努力どころか「戦争」である。

目に見える外的経験の有無だけが、人間の成長ではないし、闘いではない。

「努力」以上のエネルギーを使って、常に戦争している

 

根拠のない先入観

自閉症の人はみんな努力しない」

これは根拠のない偏見であり、先入観であり、イメージだ。

こうした先入観を抱く前に、生身の自閉症の人を知ってほしい。かかわってほしい。

解説書や当事者の手記を、せめて啓発パンフレットを見てほしい。

まず実態を知ってから、ものを言ってほしい。

自閉症ってこんな感じ」というイメージは、あなたのつくり上げた先入観でしかない。