〈自閉〉と〈社会〉のはざまで(4) 小学時代3 こだわり
◆こだわり
収集癖があった。
缶ジュースの蓋(当時は缶から外せた)をコインに見立て、大量に集めた。
山道で捕まえたカマキリを、帽子に入りきらないほど入れ、持ち帰った。
空き地で、何かの白い幼虫を大量に掘り起こし、家の庭に放した。
何かを燃やすのが好きで、火に執着した。
マッチやろうそくに火をつけては、いつまでも眺めた。
塾の階段裏で問題用紙を燃やした。
小学校の倉庫から机を運び出し、理科室で天板をこっそり燃やした。
シンナーの臭いに熱中した。
車の排気ガスを嗅ぎに回った。
マジックを束にしてキャップを全部外し、臭いを嗅いで倒れた。
保健室に運ばれ、四十三度近い熱を出して大騒ぎになった。