マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

人間の尊厳

障害者は不幸をつくらない

私ではなく、なぜあなたが? 2020年2月17日、横浜地裁であった津久井やまゆり園事件の論告求刑公判で、自閉症の娘を殺害された母親が、こう述べていた。 「勝手に奪っていい命など一つもない」 「あなたが不幸をつくる、生きている価値のない人間」 (2020…

社会に理解を求めること、断念すること――二つの道の消失点【統合失調症者Tとの対話】

社会に理解を求める 「未成年の時はマイノリティだった。親が守ってくれて、まわりの人は通り過ぎていくだけ。けれども大人になってメジャーになる。自分もまわりから見たら通り過ぎる一人にすぎない。みんなと同じ一員とわかる。失楽園」 統合失調者Tが早口…

犠牲となった障害難民マイノリティたちへ【ADHD・S子との対話】

障害難民 ADHDのS子の部屋は、暖房の利きが悪く、凍えそうに寒かった。 聴覚過敏手記の冊子を、私は床に並べる。 「トラウマですよ、××事業所の。それで聴覚過敏なんです。フラッシュバックがひどくて買い物にも行けない。もうどこにも。ストレスで△△病…

奪われた者の言葉を、沈黙を強いることで再び抑えつける

暴力を受けた人は、自分の身に何が起きたのか、理解することができなくなる。「自身との関わり方と世界との関わり方という二重の意味」で、その根幹を揺さぶられ、沈黙を余儀なくされる。加害者は、被害者の沈黙を望み、その犯罪の痕跡を消し去ろうとする。 …