選挙活動で苦労した聴覚過敏とコミュニケーションの問題
最近、応援している人の選挙を手伝いました。
以下は聴覚過敏やコミュニケーションの困難を記した記録です。
選挙前夜打ち合わせ
総勢12名で打ち合わせ。
- あちこちザワザワ騒がしく気が散る
- 誰も彼も声がキンキン尖っている
- 初めての顔ぶれとのコミュニケーションに苦手意識がある
- 目に見える手がかりのない話し言葉がわかりにくい
- コロナ防災バカ無線がうるさい
- ドアや取っ手にコロナウィルスがついている可能性があるのが気にかかる
- 人がマスクを外して近づいてくると脅威を覚える
- 聴覚過敏が今にも出ないかと身体に意識がいく
- 打ち合わせが盛り上がってトイレに行くタイミングが掴めない
- サウンドレベルメーターを車から持ち出したいとムズムズ
とにかく刺激が多い。
自分の身体の要求、外の世界の刺激・・・。
いろんなことが気になる!!
みんななんともないのが信じられない。
応援している人を勝たせるという目的のみを見つめ、目の前のコミュニケーションに集中するよう努力。
身体をうまく空間になじませるようにして、参加できた。
おかげで2時間近く経過しても、聴覚過敏の気配はない。
そこから作業に入り、いつの間にか3時間半経過してお開きに。
聴覚過敏は出ずホッとした。
苦手な状況でよく耐えた。
1日目
毎日コンディションが整うのが昼過ぎなのに、朝早くから選挙事務所へ行き活動。
内心「大丈夫か」と不安。
ワイワイガヤガヤうるさい事務所で、活発に作業する。
自分に割り当てられた、できる仕事があると、空間参加感が増して安心する。
6時間半経過した頃、頭がズキズキしてきたので早退。
聴覚過敏の嫌な首痛ではなく、いろいろな緊張と疲れが頭痛になったという感じ。
それでも聴覚過敏には違いない。
帰宅して仮眠すると、上半身の筋肉が突っ張り痛む。
こんなに苦手な状況でよく頑張った!
明日もつか不安。
2日目
昨日の聴覚過敏の痛みが上半身に残ったまま、選挙事務所に朝出勤。
自分に割り当てられた重要な仕事を済ませると、午後からいよいよ選挙カーへ。
雨が降っていて寒かったが、人の声があちこちで飛び交う事務所よりは、静かな選挙カー車内の方が、聴覚過敏のダメージは少ない。
人と作業することにも慣れてきて、夜9時の段階で、痛みがおおかた消えるほど。
昨日の疲労がこんなに残っているのに、聴覚過敏は出なかった。
12時間ももった。
私にしてみれば、苦手な環境でどれほどもちこたえたことか!
3日目
昨日に引き続き、選挙カーのウグイス(候補者の代わりに応援演説する仕事)に集中して6時間半。
台本があるから、ウグイスはできないことはない。
ただ、他のウグイス担当者はとっさに臨機応変な言い回しができるが、私の言葉はどうしても台本通りの定型文句になりがち。
聴覚過敏は一切出ず。
苦手な状況で頑張った!
4日目
昨日に引き続き、選挙カーのウグイスに集中して7時間。
YさんとDさんに声を誉められ嬉しかった。
苦手なZ夫婦がいて、自分の話ばかりされるのに辟易したが、私にしてみれば、よく話の輪に入った。
聴覚過敏は一切出ず。
苦手な状況でよく頑張った。
5日目
朝から選挙事務所へ。
ストレスがたまり、昼食中は少しむっつりしていた。
出しゃばりZ夫人の自慢話にもうんざり。
午後は事務所の世話。
昼1時から5時まで、おばさん達に混じって苦手な “世間話” に興じる。
こんな苦手な井戸端会議に良く耐えた。
夕食中、あちこちザワザワしてうるさい!
ここでも、あまり面白くない目の前の会話に集中し、苦手な状況を淡々と耐え、乗り切った。
夕食後、片付けが終わり事務所で休憩。
Yさんと、医学の話で盛り上がった。
やっと興味深い、実になる話が聞けたので、充実感があった。
意気投合したので、Yさんは心を開き、人の悪口を言うことで団結する近所の人の醸し出す雰囲気が「つらい」と打ち明けた。
Yさんは、実はHSP人と判明し、心強かった。
Yさんの話が理解できたのは、感覚と経験と知識が私にあるから。
しゃべり上手なZ夫人のペラペラ言葉は理解できない私だが、聞き上手だからこそコミュニケーションを取れたと自信が持てた。
聴覚過敏は平気だった。
6日目
朝からウグイス。
うまくスピーチできて満足。
昼食後は某所で相談。
仮眠したのもあるが、ほとんど疲れていない。
夕方からまた選挙カーに搭乗。
Z夫人が発達障害当事者であると判明。
これだけしゃかりきに働いたのに、聴覚過敏と疲労がほとんど出なかったので、嬉しい。
最終日
朝からウグイス。
昼頃、選挙最終日にして目の奥と首が重くなってきた。
午後はドッと疲れが押し寄せ、首も目も頭も腕も、上半身一帯が全部痛い。
「あー疲れた!」と同乗者に愚痴る。
選挙カーの後続車を2台走らせていたが、みんな疲労がたまっている。
選挙カーをぶつけ、スタッフはやいのやいのと大喧嘩。
帰宅すると、疲労と痛みのあまりグッタリ。
苦手な状況の連続だった
……とまあ、毎日「頑張った」と自分をねぎらう日記ばかりですが、それほど「苦手な状況」の連続でした。
人と関わる機会と賃金を与えられたのは、大変ありがたかったです。
コミュニケーションやうるさい場所が苦手なのに、人なかで耐えたこと。
何より聴覚過敏を。
一対多のコミュニケーションが、私にとってどれほど難しかったか…。
苦手な状況で、人一倍、自分の能力以上の仕事をした!
と何度も自分をねぎらっておきます。
巧みな言葉でのし上がろうとする人
Z夫人という人が、ペラペラよく動く舌で自分のことをまくしたて、場を乗っ取ろうとするのが困りました。
巧みな言葉にものを言わせ、場を制する。
横暴です。
口下手で黙々と影の働きをしている人もいるのに、口が達者で、ごね、騒ぎ、派手な働きをした者ばかりが目立ち、意見は通される。
こんな世の中なってほしくないです。
場・状況に自分をそぐわせたい人
状況や人によって、パーソナリティーを演じ、完全に別人のようになる人がいました。
つまり状況功利的に顔の裏表を使い分け、自分の利益を図ろうとする人。
「自分がどうか」よりも、「場・状況で自分が得するかどうか」に意識が向いているのです。
不気味です。
裏表のない自閉症の人には絶対できない振る舞いでしょう。
あーーー、心細かった!!
配慮できる状況でないのは重々承知しているけど、私の感じ方に理解と配慮があったら……と思いました。