マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

2012-01-01から1年間の記事一覧

不適応が多い理由(2) 振幅の大きさと不適応との関係

一つずつ考えてみる。 あくまで素人の雑感なので、間違いはあると思う。 興味 一般的に、不適応の原因としては、一番影響力は少ないだろう。 環境の中に興味を見出す対象があり、マイペースにやっていければ問題ない。 私の場合、対人関係、集団適応、就労で…

不適応が多い理由(1) 凸凹の山が急峻

発達障害者でない人でも、学校や職場などといった環境にうまく適応している人となかなかできない人がいるように、(広汎性)発達障害者にも、わりと適応している人と不適応を繰り返す人がいる。 自分は残念ながら、後者。 (広汎性)発達障害者の、わりと適…

人づき合いの容量が少ない故に(2)

いわゆる極度の"寂しがり屋"が苦手なのだと思う。 心理的に、頻度的に、「密」なコミュニケーションを求めてくる人を、今までどれだけ「拒絶」してきただろう。 頻繁な携帯メールを遠慮してもらい、距離を置いてもらうよう、お願いする。 それでも、相手は、…

人づき合いの容量が少ない故に

アルボムッレ・スマナサーラさんの著書『Power up Your Life』のなかに、こうした記述がある。 「どんな人間にもカルマによって、人づきあいの容量というのが決まっています。容量というのは、人間関係で何人の人とつき合えるかということです。」 私はこの…

発達障害の似ているアレコレ

【似ているその1】 当然と言えば当然だが、自分により近いのは、精神障害者よりも、知的障害者であると実感する。 脳機能に問題を抱えている、という共通点を感じる。 かんしゃくのタイミングや現れ方が同じである。 頭のピリピリしている部分が近い。 【似…

詩「理解されない辛い苦しいもう嫌だ」

ああ・・・(ああ・・・) まいる・・・(まいる・・・) 理解されない・・・(理解されない・・・) 耳のモンダイじゃないってば ココロのモンダイじゃないってば 病気じゃないってば トラウマじゃないってば ウツ病じゃないってば 「なった」んじゃないっ…

カンシャクは突然やってくる(2)

軽いかんしゃくを起こした日に、好きなハードロックを聴いていたら、凶暴な気分が高揚し、翌日まで引きずった。 「聴覚過敏者は逃げ場所と居場所がほしい(4) 偏見」で問題になった相手のキンキン声を聴いていると、その首筋に、まわし蹴りをくらわせたい…

聴覚過敏者は逃げ場所と居場所がほしい(4) 偏見

騒音=ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ が、身体を叩き、打ち、さわり、響く。 内臓をなで回される。痛い。気持ち悪い。吐き気がする。 広がる嫌悪感、まとわりつく不快感、迫りくる圧迫感。 そして、恐怖感。 殊に、高い声は、尋常でなく響く。 "地獄"と形容…

常に一対一の関係に持ち込む人間関係の距離

初対面の人にイキナリ突っ込んだ話をしたりして、人との距離の取り方がヘン。 押しすぎるし、退きすぎる。空気や様子が読めていない。 人が行かない場所に神出鬼没したりして、妙に目立つ(隠しているつもりなのに)。 ・・・という指摘を受け、過去、言われ…

作業に集中できてウレシイ

いつも痛々しいことばかり書いているので、たまには嬉しくて嬉しくてしょうがないことを! ここ数日、集中して仕事ができた。 鬱だの・・・、 騒音だの・・・、 恐怖感やパニックだの・・・。 特に騒音環境(ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ)に気が散ってしま…

ドロドロした「情」が気持ち悪い

精神障害の人と話をすることがあります。 そこでは時々、重い愛情や複雑な感情の話題が出ます。 私は、そういった話題がとても苦手です。 ドロドロした「情」が気持ち悪いのです。 吐き気がして、不快で、逃げたくなります。 話を聞いているうちに、自分も感…

不適応と二次障害

「もっとうまくやっている人もいるのに、なぜ自分はこんなんだろう?」 自分を責める気持ちが相変わらず続く。 ここに恥に満ちた不適応を書き綴る日々が、いたたまれない・・・。 (だが吐き出さないとたまるので、ストレス解消と思考整理のために書いていま…

複雑な感情を処理するのは難しい

人間関係における、複雑な状況、ドロドロした感情のもつれや心理ドラマは、情報処理ができず苦手です。 本気で心理戦などを挑まれたら、潰れます。 単純な反応が、わかりやすいのです。 複雑な「思惑」の交錯は、常に、思考を危機にさらします。 それは、プ…

初めての出社拒否

※またしても、恥さらしの文章で申し訳ない。 私の不適応エピソードは、自慢ではなく、自責と不名誉です。 文章を見れば想像がつくと思うが、私は超がつくほど真面目。 出社拒否などしたことがなく、doctor stopをくらっても 身体を引きずって出社する始末。 …

一点集中と反復のループ

何かをしていること、したいこと。 その「一心」「集中」が強すぎて、まわりが見えなくなる。 目の前の何かに没頭しすぎると、ほかのことにまったく目が向かなくなるから。 意識は一つの対象に向けられ、周囲の状況を忘れる。 そして機械のような反復が始ま…

グレーな曖昧さのなかで漂うこと

「“多人数の” 雑談が苦手な理由(4) BGMを楽しむ困難」 で書いた ハローワークの人の言葉「真面目な、白と黒の世界観」。 全体に向けた話し言葉の洪水、著しい環境の変化、いつもと違う雰囲気、初めての状況、あまりたくさんの大きな音にさらされること…

社会に発達障害が知られていると思っていた

障害者職業センターの職業訓練では、発達障害の人がたくさんいた。 対人コミュニケーション面において、それなりの配慮があった。 就職活動においては、発達障害についてよく知っているハローワークの人が、相談に応じてくれていた。 就労継続支援事業所であ…

統合失調症の人

統合失調症の人の世界は、不思議と、私には理解しやすい。そして興味深い。 際立って、不思議な体験をしている人が多い。異常だとは思わない。ただ自閉症の世界と違う、とは思う。 統合失調症の人に共通するのは、物語性の「豊かさ」である。 あまりにセンシ…

“多人数の” 雑談が苦手な理由(4) BGMを楽しむ困難

“多人数の” 雑談が苦手な理由(3) の続き。 広汎性発達障害の人でも、「みんなが共有できるあたりさわりのない最大公約数の話題」にまったくアレルギーのない人もいる。 ただし多くは、それが「自分の興味の範囲であれば・・・。」 自分が好きな、たとえば…

“多人数の” 雑談が苦手な理由(3) みんなが共有できる最大公約数の話題

「みんなが共有できるような最大公約数の話題」というのは、いわゆるあたりさわりのない話で、個別性が著しく薄れてしまう。 女性であれば、圧倒的に「食べ物(特にお菓子など)」の話が多い。 そういった個人の人生に肉薄しない話に、感情移入できない。 み…

“多人数の” 雑談が苦手な理由(2) 感情労働が一番辛い

職場の雑談もういいよ症候群 で似た記事を書いたが、雑談が苦手な理由を、あらためて考えてみた。 ①話に目的と方向性がないから ②話に「個別性」がないから 私はなぜ、みんなが笑って盛り上がっているところで、その感情がわからないのか?(情緒がおかしい…

初めての状況を恐れ、オセロの駒をひっくり返す

なぜなら、状況を即座に理解して、臨機応変に対応することができないからだ。 表裏白黒のオセロの駒が、白面を上にしてズラッと並んだ板。初めての状況はこのようなものだ。白面を、いかに多くひっくり返すか。黒くなればなるほど、安心できる。 一番怖いの…

常同環境を愛する詩「反復の安楽と葛藤」

【反復の安楽と葛藤】 生まれたときからここにいた 同じ道順を行ったり来たり あちらこちらに自分の足跡 両側にそびえる壁は 安楽の砦を築いていた 蟻の行列のように 列から外れることはできない 同じ道筋しか歩けない 自分の足跡が踏みしめられた 永遠の反…

詩「遠いうた」

世界の片隅から呼びかける 虚しい願いはこだまする 届いても届かなくても 声のかぎりに歌っていた 消え入る祈りに絶望と 透明な涙が混じる 決して返ってくることのない声 決して報われることのない声 人に祈ると黙られる その法則をいつ知った? 神様ではな…

共感できる感情とできない感情

みんなが笑っているときに、なぜ楽しいのかわからない私は、必死に感情労働をして、一緒に笑っているように見せかける。無理にねじまげた心。 うつ病や統合失調症の人は、繊細だけれど、みんなと一緒に楽しめる。その点が、自閉症とは違う部分。 私もできれ…

共感不能の世界に足あとをつけていく

感じたことを、具体的な情報を伏せながら(できていないかもしれませんが)断片的に書きます。 隣の席の男性だけが、私と同じようにこの世界から「浮いて」おり、「文化の差の秘密」を知っているようだった。 あとの人は、みな、それぞれに事情を抱えていた…

感情をみつめて(7) 秩序の再構築のために

かなり前の記事ですが、「感情をみつめて(6) 秩序の崩壊」 の続きが気になっていたので書きます。 感情のダム湖に小さな「こだわりの石ころ」があって、それを掴むために、ダム湖の水を全部放流しようとしている。 そういうとき、なにかにこだわっていて…

I love... the silence

浮き沈みの激しさと苦痛ラッシュにいい加減嫌気がさしてくる日々だったが、昨日は助かった。 なんとか休もうと心がけ、「静かなところで集中して作業できた」。 それだけで、めきめき回復した。 ペットの病気のことも忘れて、数日前の激しい鬱が引いていった…

相手を知りたいときは自分の話をするって!?

ハローワークの職員(女性)と雑談していたとき、驚くべきことを聞いた。 一般的には、「相手のことを知りたいときは、自分の話をする」というのだ。 「えぇ!? なんでそうなるんですか? 私には、ただ自慢話をしているようにしか見えないか、"この人、自分…

だったら、どこに行けばいい? 能力と発達の凸凹が極度に大きい

発達障害者をよく見て知っている複数の関係者から、私は、 ・ほかの発達障害者より能力と発達の凸凹が極度に大きい特殊タイプ 凸は高いが凹はより低い ・アスペルガーの人は言葉がそれほど不自由ではない ・アスペルガーの人は初めての場面で私ほど恐怖を抱…