マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

過酷だった以前の職場(1) サバイバル環境

以前の職場についての回想。

それは、私にとって過酷な、まさに「サバイバル環境」そのものだった。
ひたすら足りないエンジンをふかし、苦手なことを「底上げ」し続け、自尊心は低下のループをたどった。
 
強烈なのは、感覚の混乱だった。
好きな業種だったから就職したものの、私を待っていたのは―――。
素早い言葉の回転、毎日のようにめまぐるしく変化する状況と環境、緊密なチームワーク、同じ場所で落ち着いて仕事ができない規則性のないシフト、繰り返しのない作業、集団の客対応。
自閉症の人間にとっては恐るべき混沌と騒ぎの中で、ときには教師のように人と接しなければならない、コミュニケーション主体の仕事だった。
そこにあるモノや子どもが嫌いではなかったことが自分を支えたものの、神経から繊維が10cm伸びているのではないかと思ったぐらい、むずがる子どものように、私は全てに反応し、感覚は暴走した。 (続く)