マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

過酷だった以前の職場(2) 世界の分裂・解体・断片化

目に映る光景は、しばしば、バラバラに分解した。

色と形の固まりと意味のないパーツが、あるいは人間の姿をとり、あるいはモノの姿をとって、規則性なく、動き回った。
全ての音を拾う脳に、音は容赦なかった。
足音や声は、ときに身体に突き刺さるように、ドスドス、ズカズカ、バシバシ、体当たりを食らわせてきた。
話し言葉の理解はもっとひどく、声が音にしか聞こえないときがしばしばあった。
話し言葉は、人と人の頭上を高速で行きかい、荒れ狂い動きまわる、実体をもたない暗号のようだった。
言葉のやりとりで成り立つコミュニケーションから、私は「意味」を剥奪され、立ちすくんだ。
 
  意味が見えない聞こえない ※カミングアウトに用いた自作資料 「意味が見えない・聞こえない」のイメージ 
 
ちなみに・・・ さらに前の職場では、これほど変化だらけの環境ではなかったので、顕著な世界の分裂・解体・断片化は発生しなかったが、対人関係も含めたストレスはやはり大きく、深い鬱状態に陥った。
いずれ、「アスペルガー症候群への違和感2」の記事を書きたいと思っているが、自分はひょっとして、アスペルガー症候群というよりは、知的障害のない単なる自閉症ではなかろうかと思った。
上に述べた症状も含め、職場においても、家においても、 深刻な自閉症的症状が、頻繁に出てきたからだ。