『障害をもつこと・共に生きること』を読んで
以下『障害をもつこと・共に生きること』より抜粋
現代社会の中で、この「醜さ・できなさ・しんどさ」が「あってはならないこと」とされていることが障害者の生きにくさの根底にあります。「醜いもの、できないもの、しんどいもの」を忌み嫌い、遠ざけようとする傾向が現在の社会にはあります。そうやって、人々から遠ざけられ、隠され、あってはならない存在とされていること、そうした中で深く傷つけられてきたこと、そのことこそ障害者の生きにくさの根源です。
健常者の多くは、障害者は「あってはならない存在だ」と無意識のうちに感じています。「気持ち悪い」「怖い」と思って避けたり、「かわいそう」と思って「優しく助けてあげなければ」と感じています。障害者を嫌い遠ざけている健常者の態度は、もちろん差別的ですが、「助けてあげなければ」と思う庇護意識も差別的です。障害は人間の一部にしかすぎないのに、それをもって対等につきあえないと思いこんでしまうのは健常者のおごりです。
障害者とは何でしょうか。私は障害者とは障害者差別からのサバイバーであると答えたいと思います。さまざまな辱めや暴力、好奇や嫌悪や憐れみの眼差し、存在そのものを否定するメッセージに溢れるこの世界で、自らの尊厳を守り、生き残ってきた誇りあるサバイバー、それが障害者だと思うのです。
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障害をもつこと・共に生きること はらっぱ叢書 (2003/07/30) 堀 正嗣 商品詳細を見る |
魂が揺さぶられ、涙が出た。
ほんとうによい本を読んだ。
ありふれているようで力強い、体験に根ざした温かい言葉に溢れていた。
人間の無為と無力を、肯定していた。
* * *
どれだけ手をかけさせれば気が済むの
邪魔者、迷惑、お荷物だって
あってはならない存在と思っているなら
なぜ社会の中に放り込んだの
なぜこの世に存在させたの
人の手をわずらわせなければ
手をかけさせなければ
自分でできないみじめさが
あなたにわかるの
能力ばかりを強いられる
軍隊みたいな生活から解放されて
ただ安心して存在したいだけなのに
あたりまえのものがほしいだけなのに