2012-04-13 詩「遠いうた」 詩 世界の片隅から呼びかける 虚しい願いはこだまする 届いても届かなくても 声のかぎりに歌っていた 消え入る祈りに絶望と 透明な涙が混じる 決して返ってくることのない声 決して報われることのない声 人に祈ると黙られる その法則をいつ知った? 神様ではないのだから 人間に祈りを受け止める器はない それでも声を限りに歌っていた 私は何を信じていたのだろう 世界から音が風景が消えていく 自分の歌だけがこだまする 虚しい祈りに透明な涙が混じる 押しつぶされた悲しみを 無我夢中で虚空へ描いた 決して報われることのない声