マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

詩「遠いうた」

世界の片隅から呼びかける
虚しい願いはこだまする
届いても届かなくても
声のかぎりに歌っていた
 
消え入る祈りに絶望と
透明な涙が混じる
決して返ってくることのない声
決して報われることのない声
 
人に祈ると黙られる
その法則をいつ知った?
神様ではないのだから
人間に祈りを受け止める器はない
 
それでも声を限りに歌っていた
私は何を信じていたのだろう
世界から音が風景が消えていく
自分の歌だけがこだまする
 
虚しい祈りに透明な涙が混じる
押しつぶされた悲しみを
無我夢中で虚空へ描いた
決して報われることのない声