文字が読めない孤独(2)
文字が読めないことを、支援者に相談してみた。
その人は、私が広げたノートを指差しながら言った―――
「あなたの書いた文字は、読めるのですか?」
そのノートには、相談で話そうとまとめた内容が、鉛筆や色とりどりのペンで記した言葉で、ギッシリ埋め尽くされていた。
「はい、読めます。」
自分が織った織物は鮮やかに見えるのに、他人が織った織物が見えない。
多分、そういうことなのだ。
だが、今回はそれだけではなかった。
文字が読みづらくなるのは、これまでに何度かあった。
いつか回復するだろう。
たいしたことはないと思っていた。
けれども、だんだん自分のまわりに厚い靄がかかるようになった。
世界が私の外で回転している。
・・・これは何? ここはどこ?
世界に届かない。足がもつれる。空気が薄い。
話し言葉がわからないときと、同じ疎外感。