マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「アスペ」「自閉」「ハッタツ」……略語の負の効用

時々抵抗を感じます。 上司に「アスペ」と呼ばれたとき。 ネット上で「アスペル」という略称を目にしたとき。 なぜ抵抗を感じるのか。 それは、この言葉を口にする相手が 、「アスペルガー症候群とこの特徴を持っている当人をよく知りもしないで、“アスペル…

意味の輪っかにつながりたい

私には「意味」と「理解」が欠けている。 だから、欠けた手がかりを強く求めた。 それが、世界と自分をつなぐ通路のように思えた。 自分の外にある世界や人が話している言葉の意味を理解したい。 その気持ちが人一倍強かった。 だから、日本人でありながら日…

発達障害者の家族をお持ちの方へ

以下の文章は、以前、発達障害の家族会に参加した際、障害をお持ちのお子さんを持つご家族に話した内容です。 「家族家族で抱える問題は違う。だから、個々の家庭の状況をよほど仔細に把握しないと、私には何も言えない」と感じています。 それでも、自閉症…

過酷だった以前の職場(2) 世界の分裂・解体・断片化

目に映る光景は、しばしば、バラバラに分解した。 色と形の固まりと意味のないパーツが、あるいは人間の姿をとり、あるいはモノの姿をとって、規則性なく、動き回った。 全ての音を拾う脳に、音は容赦なかった。 足音や声は、ときに身体に突き刺さるように、…

過酷だった以前の職場(1) サバイバル環境

以前の職場についての回想。 それは、私にとって過酷な、まさに「サバイバル環境」そのものだった。 ひたすら足りないエンジンをふかし、苦手なことを「底上げ」し続け、自尊心は低下のループをたどった。 強烈なのは、感覚の混乱だった。 好きな業種だった…

自己表現したいのにできない人の隣で

自閉症のひとが、自己表現できない苦しさはよくわかる。 表現を試みても、まったく意図しないコトバや態度が出てきてしまい、まわりを誤解させてしまう悔しさも、違和感も、よくわかる。 そのことに、自分で気づいていないひともいる。 自分が自己表現できな…

聞こえすぎ

事務作業をしていて、机の向かいに座った人の作業音が気になって集中できなかった。 カタログを置くゴン!という音。 計算機をたたくバシバシという音。 筆記具を置くガン!バン!という音。 一直線に心臓を打たれ刺さるような、激しい響き方があった。 耳栓…