マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

発達障害者の家族をお持ちの方へ

以下の文章は、以前、発達障害の家族会に参加した際、障害をお持ちのお子さんを持つご家族に話した内容です。

「家族家族で抱える問題は違う。だから、個々の家庭の状況をよほど仔細に把握しないと、私には何も言えない」と感じています。
それでも、自閉症スペクトラムをお持ちのお子さんの対応で私なりに思ったことを、多分に一般論も入っているでしょうが、もう一度、公開しておきたいと思います。
 

変わり者と言われる自閉症スペクトラムの人間を理解するのは簡単ではありません。
残念ながら、肝心の当事者も、自己表現が上手くありません。
専門家が書いたものでもいいですが、当事者が書いた手記や自伝を読んでみて、ご家族に当てはまると思われる部分に着目するのがよいと思います。
 
自閉症の人は、脳からつながって四肢の隅々に至る神経系がごっそり一般の人と別規格であるように感じています。
だから見え方や聞こえ方をはじめ、五感のあり方も、その表現に関しても、お互い違和感をもって感じられるのだと思います。
 
自閉症スペクトラムの人の言動が不可解で突拍子もないと感じられる理由の一つに「負荷がかかりすぎている」ケースがあると思います。
予想外の出来事や苦手とする刺激などを受けすぎて、鎖にからめとられがんじがらめになっていると、外から呼びかけても声が届かなくなります。
まず、鎖を外して状況をシンプルにするのがよいです。
さらに、その人に届く言葉や表現形式で、コミュニケーションを試みるのが大切だと思います。
 
もう一つ考えられる理由は、こだわりなどと言われますが、「価値の所在」が一般の人たちが考えるのとは別の場所にある場合です。
あなたにとって価値のある、大切なものは、なんでしょうか。
自閉症スペクトラムの人は、一般の人からすれば、ほとんど無意味な場所や事柄に、価値の体系を作っている場合があります。
それは、まわりの人から見ると取るに足りないおもちゃだったり、音だったり光だったり、彼(彼女)が作った決まり事だったり、彼(彼女)の中の人格だったりするかもしれません。
でも、それが失われると、世界が崩壊するほどの価値があるのです。
自閉症スペクトラムの人は、その人だけに通じる「独自の秩序」を持っている場合があります。
理解しがたいかもしれませんが、自分の大事なものが満たされる喜びや失われる悲しみを思い描いてみて下さい。
 
また、自分の願いと相手の願いを混同せず区別して、「あなたは何がしたいか」ということを尊重してあげるようにしていただきたいと思います。
相手が困っているなら、一緒に対策を考えることができますが、もし相手が何食わぬ顔で「自足」しているようなら、まず、自分の人生を大事に豊かにすることから考えるのが大切だと思います。
ご家族の方も当事者も、困難な状況の中で少しでも前進できたなら、そのときには気付かなくても、必ずその一歩が支えになる日がくると思います。
 
追記:スターありがとうございます!