マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

不適応が多い理由(2) 振幅の大きさと不適応との関係

一つずつ考えてみる。

あくまで素人の雑感なので、間違いはあると思う。
 

興味

一般的に、不適応の原因としては、一番影響力は少ないだろう。
環境の中に興味を見出す対象があり、マイペースにやっていければ問題ない。
私の場合、対人関係、集団適応、就労で問題になるのがこれ。
「興味がない対象への関心が人一倍無関心」で、困る。
主に協調が必要な場面において感情労働が引き起こされ、苦しむ。
雑談においては、空気が読めないということよりも、興味が限定されすぎていることの方が、よっぽど辛い。
 

能力、知能

できることとできないことの凹凸が大きすぎると、本人は、アンバランスな感覚を抱く。
「これだけできるのに、こんなこともできないの?」といったふうに。
また、知能検査において、LOW-HIGHの差が激しいと、不適応の原因になりやすいのでは、という気がしている。
周囲の誤解も大きくなり、不自由機能の理解が得られにくい。
 

バイオリズム――感情、気分、生命エネルギー

不適応を引き起こすものとしては、最も厄介だろう。
周囲との摩擦を生じやすい。
というより周囲も振り回されるし、本人もしんどい。
この状態をかみくだいて言えば、「感情と気分のエネルギーの浮き沈みが激しい」ということになる。
躁鬱っぽい。元気なときと疲労困憊しているときの落差が激しい。
エネルギーを撒き散らしたかと思うと、いきなり燃え尽きるとか、フラッシュバックなど突発的なショックでダウン、というのもこのタイプ。
 
私の場合、鬱があるので、少し元気になったら、「今のうちに、鬱時にできなかったことをやっておこう」と行動範囲を過剰に広げ、引き際がわからずエネルギー放電量を見誤り、急な下り坂を招いてしまう。
また、環境(状況)の変化や突発的な出来事などが原因で過度に衝撃を受け、鬱のループに入ってしまう。
 
 
もう一つ、広汎性発達障害者に特徴的な振幅の激しさは、感情そのものである。
感情のバリエーションが少なく、グレーの領域が狭い。
「感情をみつめて(3) 感情のダム湖」でも書いたが、私の場合、0か100か、閉か開か、2つの状態があり、両極端である。