マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

初めての状況を恐れ、オセロの駒をひっくり返す

 なぜなら、状況を即座に理解して、臨機応変に対応することができないからだ。


 表裏白黒のオセロの駒が、白面を上にしてズラッと並んだ板。初めての状況はこのようなものだ。白面を、いかに多くひっくり返すか。黒くなればなるほど、安心できる。 
 
 一番怖いのは、人という駒。知らない人がいると、その人が自分に危害を与える人物かどうか判明するまで、やたら話しかけたり、コンタクトをとったりして、確認を繰り返す。自分の座標軸を知るために。でないと安心できない。相手が自分に危害を加えないと判明した時点で、確認は終了する。駒の白面は、ひっくり返って黒くなる。
 
 こういう行為を繰り返す「初めての状況に慣れる時期」は、負担が大きい。
 
 今回の職場では、「風」のように動くことを心がけた。さっと素早く移動して、すぐに去る。同じところにとどまろうとする衝動を無視し、身軽に動いた。この作戦は効を奏して、早い時期に、体力を温存したまま、駒の白面を黒面へ裏返すことができた。