マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

感情をみつめて(7) 秩序の再構築のために

かなり前の記事ですが、「感情をみつめて(6) 秩序の崩壊」 の続きが気になっていたので書きます。

 
感情のダム湖に小さな「こだわりの石ころ」があって、それを掴むために、ダム湖の水を全部放流しようとしている。
そういうとき、なにかにこだわっていて、抜けられない。
視点を変えることができない。―――という図式。
 
もし「今これこれこういうことが苦しい」と自己表現できるならば、そもそもこの状態には陥りません。
この状態は、何かにこだわっているがそれをうまく引っ張り出せない、自己表現できない「フラストレーション反応」です。
 
もう一つ大事なことは、世界の秩序がバラバラに崩壊する現象です。
秩序を失うと、モノから名前が消えます。
相互関係がなくなり個々に孤立します。
すると恐怖感にとらわれ、一つの視点しか持てなくなります。
ここで私を安心させるのは、以下のイメージです。
 
ダム湖の底に沈んだ小さな「こだわりの石ころ」に、「ひも」がひっかけられていて、その糸を、ダムの上にいる私が手にしている。
もしくは、図書館の本のように「こだわりの石ころ」に名前や記号がついており、その名か記号を検索すると、ダムのどのへんにあるか座標軸がわかる。
もしくは、「こだわりの石ころ」が沈んだ場所に、正確に潜水艦を下ろすこと。
ダムの底に沈んでしまった「こだわりの石ころ」に、検索可能なタグがついており、いつでもアクセスすることができるなら、ダムの上にいながら、世界は秩序を保ち続けます。
また、再びその手綱を手にしたなら、崩壊した秩序は再構築されるのです。
 
感情のダムが決壊した場合、自分も周囲の人間も大変です。
しかしこうした手助けがあれば、素早く鎮静に向かいます。
 
第一に、「こだわりの石ころ」を一緒に探そうとすることが最大の解決策です。
第二に、ストレス反応を認めることです。
 
否定しても逆効果で、火に油を注いでしまいます。
たとえ見つからなくても、「今、ダムの底にこだわりの石ころがあるから、あとで一緒に整理しよう」と同じ目線に立とうとする姿勢が、鎮静化のカギになります。
 
※ちなみにここ1年近くは、これほどの最悪の事態は発生していませんが、軽いパニック発作は相変わらず突然やってきます。