マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

自閉のスーツをまとって

海の中を自由に泳いでいた魚は、

あるとき浜辺に打ちつけられた。

荒涼と乾ききった大地は、

皮膚をひからびさせ、

口元は空しく空気を求めた。

四肢の動かぬ陸上で、

生きる術を求めて、

宇宙服のようなスーツを何重もまとい、

自ら「人工呼吸器」をつけた。

再び海に還るのか?

陸上に空気を探すのか?

魚はいびつな格好で這い続けていた。

どこに向かっているのかも知らずに。