マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

過酷だった以前の職場(6) 比類なき才能の持ち主

私の困難を理解し、導いてくれた、一人の優れた先輩(メンター)がいた。

その人は私に、この「サバイバル環境」において、持っている能力を発揮し、「障害」が原因で制限されている能力を、飛躍的に伸ばす術を教えてくれた。
 
その人は、交流分析をしている人だった。
私に、相手を理解することの大切さを、重ね重ね説いた。
そして、カミングアウトや交渉の仕方を教えた。
「人間育成」「能力開発」において、比類のない才能の持ち主だった。
 
私がよく、このメンターのことを話すと、決まって医師は「優れた人だ」と誉め、職業カウンセラーは「うちのカウンセラーにほしい」と感嘆した。
メンターは決して障害を「あきらめよう」としなかった。
「できないことはしかたない。とりあえず、ほかのことをやろう。ほかの人がやってくれるから、あなたは気にしなくていい。」
そう言って、"表面上あきらめる"こともある。
しかしその人の助言を聞き実践しているうちに、知らぬ間に、どんなに深刻な困難であれ、必ず能力の向上がみられるのだった。