マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

発達障害にかかわる支援機関のあり方について思うこと

発達障害者支援センターなどの支援機関を利用して、不安に思ったことがあります。

それは、発達障害者を「支援ルートに乗せていく」、という印象です。
 
まず、本人が障害を「認める」(=障害受容)。
次に、診断を受ける。
次に、手帳を取得する。
次に、障害者職業センターへ足を運ぶ。
次に、障害者職業センターの制度(職業評価や職業準備支援)を利用する。
次に、これを足掛かりに、就職する。
ゴールは、自立して安定する。
順序は違えど、私はたまたまこのレールに乗っかって活動しています。
 
しかし、自分は障害者ではないと、そのアイデンティティを受け入れられない人もいます。
診断を拒否する人も、手帳取得を拒否する人もいます。
センターの利用をためらう人もいるでしょう。
 
私は、レール上の砦をひとつひとつクリアすることは、必ずしも個人の幸せにつながらないと思います。
大事なのは、個人の生き方や価値観を尊重したGOALだと思います。
 
発達障害は、個人差がありすぎる、というのが一つの特徴です。
だからこそ、支援機関は「支援ルート」にとらわれない、個人の生き方や価値観を尊重した柔軟な対応が求められます。
「個人差がありすぎる」からこそ、当事者も関係者も大変。
前例やマニュアルに乏しく、一例一例を、仔細にみて、対応していかなければいけないからです。
お互い、経験を積んでいく必要があります。
人間と人間の辛抱強いぶつかりあいを、大切にしなければいけないと思います。