マイノリティ・センス

自閉スペクトラム症の個人的な表現・分析(聴覚過敏多め)

スイレン

2019-10-29から1日間の記事一覧

〈定位〉から考える聴覚過敏13 まとめ 能動的構え

ほかの聴覚過敏の原理に当てはまるかどうかわかりませんが、私の聴覚過敏においては、まず定常位置の転覆を驚愕する心があり、みずからの定常位置へ同化/異化する選別作業としての摩擦と刺激が多くなっている様子をみてきました。その選択の前段階としての…

〈定位〉から考える聴覚過敏12 刺激に意味を求めるか否か

「音の意味」がわからないとはどういうことでしょうか。 意味とは、価値・重要性・意義という意味を除けば、「記号(特に言葉)の表す内容」「ある表現や行為によって示される内容、特にそこに含み隠されている内容」(明鏡国語事典)です。つまり、表現や行…

〈定位〉から考える聴覚過敏11 火に油を注ぐもの(2) 音の意味

「気分」とともに「音の意味」もまた聴覚を過敏にさせる要因になります。「音の意味」がわからなければ「不安な気分」になるし、「不安な気分」が高じれば「音の意味」がますます聞きとれなくなるという悪循環が生じます。こうした不安が音の聞こえ方を変化さ…

〈定位〉から考える聴覚過敏10 火に油を注ぐもの(1) 不安

聴覚を過敏にさせる3つの要素「調整」「気分」「音の意味」のうち、「気分」「音の意味」といった心理的な問題が聞こえ方に与える影響ははかりしれず大きいものがあり、無視することはできません。 選択的注意ができないというだけで、「火に油を注ぐもの」…

〈定位〉から考える聴覚過敏9 こだわる固体の固着とこだわらない気体の流動

なぜこれほど刺激に反応しなければならないのでしょうか。 感覚過敏のイメージをはっきりさせるために、逆に感覚の鈍い人を描出してみます。自分の生命の流れがほかの生命の流れと同期(シンクロ)する振幅が広い。変化についていける。流動している。臨機応変…

〈定位〉から考える聴覚過敏8 選択的に注意するものは何か

自閉症スペクトラムの人は、ほんとうに音を選択して拾っていない(拾わされている)のでしょうか。何を基準にして、何を重要な手がかりにして、音を選択しているのでしょうか。ほかの自閉症スペクトラムの人の聴覚過敏については詳しく把握していないので、…

〈定位〉から考える聴覚過敏7 〈第一陣〉に穴があく

とはいえ、音を「受け止めて反応(レシーブ)」できるときがないわけではないのです。目の前の重要な音や心地よい音に集中して、自然にフォーカスできる時間はあります。 とりわけ好きなこと、ワクワクすること、興味のあることに一心に没入しているときは、対…